海洋深層水には、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなどの主要ミネラルはもちろん、微量元素などの様々なミネラルが85種類以上非常にバランス良く含まれていることがわかっています。
海の中で、生物は海からミネラルなどの栄養を得て生きていました。
だから進化の過程で、海から陸に上がったときに、海とほとんど同じミネラル状態を体内に作ったと言われるのもうなずける話。
こんな、生命の根幹に関わるミネラルバランスを人工的に作り出すことは、現在の技術を持っても不可能なのです。
マグネシウムなどの健康に大切なミネラルを効果的に摂取するためには多く種類をバランスよく摂取することが必須条件。
ミネラルの知識なく錠剤を取りすぎると、かえって体のバランスを崩すことがあるので注意が必要です。
その点、海洋深層水は人の体内に近い自然のミネラルバランス。
それがすごいのです。
深海すなわち陸棚外縁部以深にある海水を海洋深層水と総称しています。
陸棚外縁部はおおむね水深200~300mにあります。
外洋においては水深200mより深くなると太陽光線のほとんどが海水に吸収され、弱いブルーライトの世界になります。
また、1000mを超すと暗黒の世界と言われています。
したがって、水深200m以深の海水中では植物プランクトンによる光合成は行われず、分解力が優勢となり、無機栄養塩が次第に蓄積されます。
海洋深層水の特徴の一つとして富栄養性が挙げられますが、このような機序によるものであります。
また、北極や南極で冷やされた海水は比重が重くなり下に潜り込みます。
この潜り込みは、地球規模で生じており、海水の比重に応じて一定の水深へ潜り込み層状をなします。
逆に、水深200mより上部では太陽熱で暖められた海水の層があります。
ごく表面の海水は冬には大気によって冷やされ冷たくなり、その場所での垂直的潜り込みが生じ上下混合が行われます。
この上下混合の到達する最大水深が約200mとされています。
海洋深層水の特徴の一つとして低温安定性が挙げられますが、このような機序により、水深200m以深には四季を通じて水温の低い海水が存在します。
このように海洋深層水は抽象的に共通の概念、すなわち、清浄性、低温性、富栄養性、熟成性で説明されます。
しかし、当然のことながら地球上には地域、水深によって起源や性質を異にする海洋深層水が様々に存在します。
海洋深層水を汲み上げ、利用しようとする場合にはそれぞれ汲み上げる場所の海洋深層水について、起源、流れの実態、水質などについて個別に調査する必要があります。
たとえば、北太平洋西部においては、下図に示すように海洋深層水は3~4層に分類され、それぞれ起源を異にする海水がそれぞれ異なった方向に流れています。
海洋深層水は海洋中を循環していますが、流れが遮られるとその地点で湧昇します。このとき、表層水に栄養塩を供給することによって海域の生産力向上に大きく寄与します。
この点からも重要な海洋資源であるといわれています。
この流れのうち、北太平洋深層流はアラスカ,オホーツクから南西方向に潜り込み,東経130度,北緯20度,水深2000mあたりで反転して北上し,北太平洋中層流と呼ばれる流れになるとされています。
この北太平洋中層流の一部が四国陸棚斜面あたりに湧昇しています。
室戸海洋深層水はこの湧昇流を水深300-400mで汲み上げており、北太平洋の中層を一巡する北太平洋中層水(北太平洋深層流、北太平洋中層流)に起源すると考えられています。
海洋深層水が各地で人為的、連続的に汲み上げられるようになり、事業用として大量取水の時代が到来しつつあります。
大量取水、放水がなされた場合の海洋環境に与える影響を十分に把握しておく必要があります。